マンションにおける民泊

 最近、「民泊」が話題になっています。旅館業法に違反しないか等の問題もありますが、ホテル・旅館不足を背景に、社会的事実として、かなりの数の民泊が行なわれているようです。聞いたところでは、3LDKのマンションに20人近い外国人を宿泊させ、かなりの利益を上げていることもあるそうです。
民泊については、厚生労働省から「国家戦略特別区域法における旅館業法の特例の施行について(通知)」が平成26年5月1日付でなされており、今後も、さらに緩和される動きもあるようです。ただし、旅館業法の特定により緩和されたとしても、マンション管理規約においてこれが許容されるかは別の問題となります。

 管理組合からも近時、「民泊」を禁止したいという相談を多く受けます。不特定多数の者がマンションに出入することに不安を感じる方が多いと思われます。
ただ、標準管理規約は、「民泊」を想定したものではないため、直ちに民泊が規制対象となるかは不明です。

 標準管理規約第12条は「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」としています。「賃貸住宅」の場合には「専ら住宅」として使用していることに問題はありませんが、「民泊」の場合にまで「専ら住宅」として使用しているといえるかは議論の余地がありそうです。

 そうなると、民泊を規制したいのであれば、現行規約は早期に改正しておくことが望ましいといえます。現行規約のままでは対応が難しい場合には、専有部分の使用目的について、「不特定または多数の区分所有者以外の者を専有部分に宿泊させ、または、これらの者に貸し出してはならない」という規約改正を提案しています。「不特定または多数」としているのは、「不特定少数」や「特定多数」も規制対象とするためです。

 一方、民泊には、貸し出す区分所有者にとってもリスクがあります。賃貸借のような継続的関係ではないため、仲介業者の入居時審査もなく、盗難や損壊に遭った場合、その損害を担保する敷金もありません。こうしたリスクについて、充分な議論がなされている状況とはいえません。

 いずれにせよ、民泊が社会的に注目されていることに違いはありません。よりよい「民泊」となるよう、積極的な議論が欠かせないと思われます。

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