ゲリラ豪雨による漏水事故

 最近、ゲリラ豪雨の際に漏水事故が発生する事例が増えています。日頃から詰まり気味だった雨水排水管に対し、1時間当たり7~80mmもの大量の雨水が流れ込むことにより溢水し、階下のテナントに漏水被害を及ぼします。
 この場合、被害者であるテナントの損害は、テナントが加入していた損害保険によりカバーされることが多いと思いますが、その後、その損害保険会社からオーナーに対し、賠償請求権の代位請求が行われることがあります。
 オーナー側も漏水事故について保険に入っていればよいのでしょうが、漏水事故は建物の火災保険の特約のことが多いようで、この特約が付されていない場合には、オーナーが自腹で数百万円もの損害金を負担しなければならなくなります。

 配管の目詰まりは、土地工作物の設置保存の瑕疵にあたりますので、民法717条により、オーナーには賠償責任があります。但し、ゲリラ豪雨の場合には、不可抗力の抗弁が有効な場合もあるでしょう。つまり、配管が目詰まりしていなかったとしても溢水していたと言えるならば、設置保存の瑕疵はありません。その場合、配管の流下能力と降水量から丁寧に説明する必要があるでしょう。

 また、不可抗力とまでは言えなくても、自然力の寄与により賠償額の減額が認められる余地もあります(寄与度減責)。

 最近はゲリラ豪雨が頻繁に発生しており、予見不可能な「不可抗力」とは言いにくい状況になってきています。こうした自然災害に備え、再度、ビルのメンテナンスや損害保険のチェックも行っていただくのがよいと思われます。

投稿日:2013年2月20日 最終更新日:2014年2月13日
カテゴリー:借地・借家

借地・借家に関する記事一覧


Warning: Use of undefined constant date - assumed 'date' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/hironorimachida/www/wp-content/themes/Hironori-Machida/single.php on line 59
  • 借地・借家
     
    2017年03月27日

    シェアの形態

     オフィスビル賃貸借におけるシェアの形態は、広い意味でとらえると様々なものがあり、従前から行われているものも多くあります。  たとえば、以下のよ...→続きを見る

  • 借地・借家
     
    2017年03月22日

    サブリース形態によるシェアオフィス事業におけるオーナーの法的リスク

     先日のブログにて、シェアオフィスにおける利用者との契約に借地借家法が適用されるかという問題を記載しました。もし、シェアオフィス事業がビルオーナーでは...→続きを見る

  • 借地・借家
     
    2017年03月27日

    シェアオフィス・曜日貸し・時間帯貸しと借地借家法

     近時、様々なシェアビジネスが盛況であり、不動産賃貸借も例外ではありません。シェアハウス、シェアオフィスのみならず、店舗や教室等の曜日貸し(特定の曜日...→続きを見る

  • 借地・借家
     
    2017年03月27日

    DIY型賃貸借

     国土交通省住宅局から、平成28年4月15日、DIY型賃貸借に関する契約書式例及びガイドブックが公表されました。 →続きを見る

  • 借地・借家
     
    2016年03月14日

    賃料増額を怠った場合の立退料への影響

    長年にわたり賃貸借が行われているときに、当初決めた賃料のまま改定せず、相場よりも安い賃料が継続しているケースがあります。しかし、いざ、建物を再築する...→続きを見る

記事カテゴリー一覧

ご相談・ご質問はお気軽に