区分所有建物の競売と滞納管理費の求償

 区分所有建物が競売された場合、買受人は、元所有者の滞納管理費等を管理組合に支払う必要があり(区分所有法7条1項、8条)、支払った金額を、元所有者に対し、求償することができます(東京高裁平成17年3月30日判決、判例時報1915号32頁)。
 もっとも、元所有者が破産した場合にも求償できるかは、破産法との関係で問題があります。

 東京高裁平成23年11月16日判決(判例時報2135号56頁)は、元所有者が破産したが破産管財人が区分所有権を放棄した事例において、滞納管理費を、①破産手続開始前のもの、②破産手続開始から放棄されるまでのもの、③放棄された後のものに区分したうえで、①及び②については、破産債権ないし財団債権に該当することを理由に求償を否定し、③については、求償を認めました。

 区分所有権を放棄するかどうかは、区分所有権の価値と被担保債権額との比較により破産管財人が判断します。しかし、放棄により、破産者にとっては酷な結果になることもあります。
 管財手続の中で任意売却することができれば、財団債権となるので、破産者に求償されることなくなります。この場合、買主は管理組合に滞納管理費を支払いますが、売却価格から滞納管理費相当額が控除されるでしょうから、買主も不利益を受けることはないと思われます。
 そのため、できる限り安易な放棄はせず任意売却を目指すことが、破産者の生活再建にとっては望ましいといえましょう。

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