サブリース破綻と定期借家における諸問題

 先日は、ファンドソリューション主催のセミナーに大勢の方にお越しいただきまして、ありがとうございました。
様々なテーマについてセミナーを行った中でも、サブリースの破綻事例についてのご質問や、違約金条項と破産との関係についてのご質問を多くいただきました。

 サブリースにおける破綻事例におきましては、オーナー破綻の場合にオーナーとサブリース会社との賃貸借が新オーナーに承継されるのか、また、その場合に、サブリース会社とエンドテナントとの転貸借契約はどうなるのか等のご質問をいただきました。

 また、定期借家契約におけるフリーレントと違約金条項との関係については、最新判例をご紹介したこともあり、それに関連する興味深いご質問もいただきました。
 たとえば、定期借家においてフリーレントがなされる場合には、中途解除の際にはフリーレント期間分の賃料相当額を支払うとの約定が定められることが多いと思います。
 この違約金条項が定められた事例において、テナントが破産し、破産管財人が定期借家契約を中途解除(破産法53条)した場合、違約金が破産債権になるのか、または、財団債権になるのかという問題があります。
 フリーレント期間も賃料債権は発生しており、中途解除が停止条件であると考えれば、破産手続開始決定前の債権として、破産債権になると考えられます。一方、フリーレント期間の賃料相当額の違約金が、中途解除によってはじめて発生すると考えれば、破産手続開始後に発生した債権として、財団債権になると考えられます。
 オーナーやプロパティマネジャーとしては、後者の見解をとるべきですが、そもそも、条文が後者のように読み込める条文かどうか、よく確認をしておく必要があると思われます。

 他にも、賃貸借当事者の破綻につきましては、様々な問題提起がなされまして、ご来場の皆様の高い関心が伺えました。主催者と相談しながら、こうしたプロパティマネイジメントの分野について、セミナーを開催していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

分譲マンションの建替え等の検討状況に関するアンケート調査結果の発表

 平成20年11月21日、内閣府、法務省、国土交通省により、表題のアンケート調査結果の発表があり、ウェブ上で公開されています。

 この調査結果をみると、分譲マンションの建替えの際に、いかに管理組合、管理会社、事業者が苦労をしているかがよく分かります。建替えの際に特定の区分所有者が反対した場合の対応、売渡請求の行使、借家人がいる場合の立退方法、立退料の多寡等、非常に参考になるデータかと思います。

 私が個人的に関心があったのは、同アンケートにおいて、今後の立法政策について調査している点です。具体的には、建替え決議の存在だけで借地借家法上の更新拒絶の正当事由が具備されることの是非、建替え決議の存在を要件とする借家権の消滅請求制度の是非等、建替え事業を推進する立場からは高い支持を得ていました。
 もっとも、借家人からすれば、一方的に居住権を失うことになるため、借家人の権利保護との調整が不可欠に思います。

 今後、こうした制度が実現されるのか、気になるところです。

講演のお知らせ【テナント破綻とファンド破綻~起こりうる現実的問題点と、対応策の法的注意点~】

 下記の要領にて、賃貸借契約におけるテナント破綻等の諸問題についての講演を開催することになりました。ぜひご参加いただきたく、当ブログにてご案内をさせていただきます。
 講演の具体的な内容につきましては、主催者であるファンドソリューションのサイトをご覧いただきたく存じます。

【セミナータイトル】
テナント破綻とファンド破綻
~起こりうる現実的問題点と、対応策の法的注意点~
サブリース会社破綻の場合はどうか?

【開催日時】
平成20年12月9日(火) 午後1時30分~5時00分
<開場・午後1時>

【主催】 株式会社ファンドソリューション
【後援】 財団法人 日本ビルヂング経営センター

【概要】~ファンドソリューションHPより~
 今、世界的な規模で不況の嵐が吹き荒れています。もちろん我が国も例外ではなく企業破綻が急増しています。賃借人企業が破綻に至れば(破綻に近い状態であっても)、従前どおり賃貸ビルにテナントとして入居し続けることは困難となります。賃貸人・不動産ファンド破綻の場合も多方面に影響を及ぼします。
 そういう事態になれば、さまざまな形で問題が発生しますが、その際に迅速な対応を執れるか否かにより、最終的に賃貸人に生じる損害額も大きく異なります。未納賃料、敷金・保証金の扱い、夜逃げ同然で退去された場合の原状回復と残置物の処理等にどう対応すべきか? その法的注意点はどこにあるのか? サブリース会社破綻の場合においても多くの問題が発生します。さらに、不動産ファンドスキームの中でファンド会社やAM会社が破綻した場合は複雑な問題が発生します。
 賃借人・賃貸人に限らずアセットマネジャー、プロパティマネジャーも、これらのケースそれぞれについて対応策を考えておく必要があります。むろん法的な根拠が必要なことは言うまでもありません。
 そこで本セミナーでは、「テナント破綻」「ファンド破綻」のケースを中心として、「サブリース会社破綻」も含め、これらの現実的問題点と対応策、法的注意点について、具体的事例を踏まえてわかりやすく解説します。