2009年10月27日 | 賃貸借 |
昨日は、金融財務研究会のセミナーに大勢のお客様にご来場いただきまして、ありがとうございました。
年初に賃料減額のセミナーを始めた頃は、これから賃料減額請求に備えましょうというスタンスだったのですが、今は、現に賃料減額請求を受けて現実的対応を求めて来られる方が多いようでした。
昨日ご質問をいただいたなかで、お答えを保留していた部分について、ご回答致します。
事業用定期借地の場合に、賃料減額請求権を排除できるかという点ですが、借地借家法23条を見ると、定期借家の場合と異なり、賃料減額請求権の規定の排除を認めていません。
従いまして、事業用定期借地の場合には、原則通り、賃料増額請求権の排除は認められるが、賃料減額請求権の排除は認められないということになります。
その理由については、定期借家の場合には期間が比較的短いため、賃料減額請求を排除しても、借家人を害することは少ないが、定期借地の場合には、相応の契約期間となるため、やはり、賃料減額請求権を排除してしまうと、事情変更に対応できないということだと思われます。
賃料減額に対する対応についてのニーズが高まっていることを実感したセミナーでした。
昨日ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。
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2009年9月29日 | 講演情報等 |
以下の要領にて、賃料減額に関するセミナーを開催させていただくことになりました。
ぜひ、ご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、本セミナーは、6月16日に行いご好評をいただいたセミナーの再演となります。
■賃料減額請求への実務対応
~テナント対応の具体的解説、最新判例を踏まえて~
■日時: 平成21年10月26日(月)午後1時30分~午後4時30分
■会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム
金融財務研究会
■ご案内
オフィス空室率の増加や募集賃料の減額が話題となる中、テナントからの賃料減額請求を受けた場合、安易に拒めばテナントの流出につながり、新規募集賃料の下落により大損失を被る可能性があります。一方、安易に賃料減額を受け入れれば収益性が大きく悪化します。このように、ビルオーナー及びプロパティマネジャにとっては、非常に難しい局面を迎えています。賃料減額を拒んだ場合、裁判で勝てるのか?裁判所に持ち込まれた場合の判決はどうなるのか?について予め理解しておくことは、テナントからの賃料減額請求を受けた際の対応を決定するうえで、非常に重要です。
そこで、本セミナーにおいては、賃料減額請求の基本知識の確認、賃料に関する概念及び論点整理を行うとともに、テナントから賃料減額請求を受けた場合に備え、それに対する法的対応方法、近時の裁判所の賃料減額についての考え方、裁判例における賃料鑑定の傾向について、具体的事例を踏まえながら、実務的な対応策を解説します。
1 賃料減額請求の基本知識の確認
(1) 要件効果
(2) 調停前置主義
(3) 基本判例の知識確認
2 賃料に関する概念整理
3 裁判所が採用する賃料鑑定基準
(1) 不動産鑑定評価基準(国土交通省)の紹介
(2) 裁判所が採用する鑑定基準とその傾向
4 賃料減額請求の事例解説
(1) 鑑定意見に対する争い方
(2) 賃料自動増額特約のある事例
(3) サブリースの事例
(4) オーダーリースの事例 その他
5 ビルオーナーとプロパティマネジャの実務対応
(1) プロパティマネジャの説明責任・善管注意義務
(2) テナントとの交渉時の留意点
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2009年9月2日 | 賃貸借 |
近時、建物賃貸借の更新料特約の効力を否定する判決が、立て続けに2つ出ました。1つは、京都地裁平成21年7月23日判決(NBL911号6頁)、もう1つは、大阪高裁平成21年8月27日判決です。特に後者は、高裁レベルでの判決ということもあり、朝日新聞朝刊トップ記事になる等、注目度も高く、早くも、不動産賃貸業を営む店舗からは、更新料を払いたくないという声が多く上がっているようです。
後者の判決については、新聞記事でしか情報を入手できていないため、後日コメントさせていただくことにし、今回は、京都地裁平成21年7月23日判決(NBL911号6頁)について、私なりの見解を述べさせていただきたいと思います(但し、同判決における敷引特約については触れないこととします)。
京都地裁における事件は、更新に際し更新料として賃料の2か月分を支払うべき特約について、消費者契約法10条に反するかが争われました。契約条項が同法違反により無効となるためには、①消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項であるかどうか、信義則に反して消費者の利益が一方的に害されるか否かが問題となります。
そして、同法の規定する要件のうち、②消費者の利益を一方的に害されることになるかについて、判決は、「消費者と事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力の格差があることに鑑み、当事者の属性や契約条項の内容、そして、消費者がその条項を理解できるものであったか等種々の事情を総合して判断すべきである」としました(NBL同号より)。
そのうえで、判決は、「本件更新料を賃借人に負担させるには、具体的かつ明確な説明と賃借人の認識、理解が必要であるのに、本件においてはそのような具体的かつ明確な説明がなされた事実は認められないから、本件更新料特約は法10条に該当し、無効である」としました。
つまり、信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するか否かは、賃借人に対する具体的かつ明確な説明と、賃借人の認識・理解が不可欠であるということになります。逆にいえば、賃借人に対し説明を尽くせば、更新料特約が、直ちに消費者契約法10条違反になることはないとも言えます。
賃借人に対し説明すべきその具体的内容については、同紙を見る限り必ずしも明らかではありません。しかし、今後、仲介業者は、更新料特約の持つ意味について詳細に説明をする必要があり、その説明の際の留意点を、仲介業者としては整理しておく必要がありそうです。
更新料の意義については、契約期間分の賃料の一部の前払いであるという主張も見られます。しかし、この見解に立ってしまうと、更新期間の途中で契約を解約した場合、更新料の清算義務が発生してしまうのではないかという疑問も生じます。
更新料の意義については、今後、合理的・説得的な説明を求められる時代になったといえます。
最高裁判決が出るまでは様子見の方が多いと思いますが、仲介業者としては、消費者に対する十分な説明を尽くすことが、オーナーの利益を守ることにつながります。ぜひ実践をしていただきたく思います。
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