2011年3月9日 | 賃貸借 |
最近、賃料減額請求に関する相談を多く受けます。オーナー側にとってもテナント側にとっても、重要な問題となっています。
賃料減額の申し出は、更新のタイミングでなされることが多いですが、法律上は、これに限定されるわけではなく、原則的にいつでも申し出をすることができます。テナントからの申し出があった場合、強気にはねつけてしまうと、新規賃料が安い現状では、テナント流出という結果を招くこともあり、オーナー側としては悩ましいところです。
こじれてしまった場合には賃料減額訴訟になることもありますが、オーナー側からの相談、テナント側からの相談にかかわらず、お互いに譲歩することを基本的にはおすすめしています。それは、金額的に譲歩するばかりではなく、その他の条件で折り合いをつけることです。たとえば、オーナー側が賃料減額の申し出を受けた場合には、これを受け入れる代わりに、テナントに対し、契約期間の延長と中途解約禁止条項をセットで条件変更する等、お互いにとってメリットになるような和解を目指すことを薦めています。
日本の訴訟の現状からすれば、訴訟になれば膨大な時間とコストがかかることも多く、早期解決こそが最大のメリットになることもあります。
一方で、オーナー側は、他のテナントとのバランスを常に考える必要もあります。1件について妥協すれば、なし崩し的に全ての案件について譲歩をせざるを得ない場合もあります。特に、うわさが広まりやすい環境にある場合(複数テナントの入っているビルや、地域で広く賃貸業を営んでいる地主様など)には、慎重に対応する必要があります。
当事務所では、賃料減額をはじめとする賃貸管理に関するご相談を多く取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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2010年10月7日 | 講演情報等 |
以下の要領にてセミナーを行います。より詳細な情報をご希望の方は、当事務所までお問い合わせいただければ幸いです。
日時:2010年11月2日(火) 13時30分~16時30分
主催:㈱日本ナレッジセンター
講演趣旨:
建物賃貸借契約においては、オーナー側の意向が強く反映された契約書が作成されることがありますが、裁判では、法令又は公序良俗に反するとしてその効力が否定されるケースが散見されます。また、例えば中途解約、原状回復、違約金等について予め詳細な条項を定めておかなかったために、後にトラブルに発展するケースもあります。ひとたびトラブルが発生すれば、解決のための多大なる時間と係争費用を要します。トラブルを未然に回避するためには、法令や取引慣行に合致するのみならず、裁判例を踏まえた適切な契約を締結することが極めて重要になります。
そこで、本セミナーでは、社団法人日本ビルヂング協会連合会発行の「オフィスビル標準賃貸借契約書」を使用し、近時多発するトラブルの具体例や近時の重要判例を踏まえながら、建物賃貸借締結時におけるトラブルを未然に回避するための実務上のポイントを分りやすく解説します。
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2010年6月18日 | 不動産売買 |
新築建物を購入した買主が、当該建物に構造耐力条の安全性を欠くなどの瑕疵があると主張して、施工業者等に対し、損害賠償を求めた事案において、最高裁は、平成22年6月17日に判決を出しました(最高裁HP)。
争点は、不法行為責任があることを前提に、これまでに居住してきた利益や建替えによって耐用年数が伸長した新築建物を取得する利益が、損益対象になるかでした。
最高裁は、「売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵がありこれを建て替えざるを得ない場合において、当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないという利益については、当該買主からの工事施行者等に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として損害額から控除することはできない」と判示しました。
その理由について、補足意見は様々な点を指摘していますが、瑕疵の内容を特定するには時間を要すること、賠償を求めても売主等が争って応じない場合も多いこと等を挙げ、損益相殺を認めてしまうと、賠償が遅れれば遅れるほど賠償額が少なくなり、誠意なき売主等を利するという事態を招くと指摘しています。
この判決が欠陥住宅を建てさせない予防策にもなるとの指摘もあり(朝日新聞2010年6月18日コメント)、消費者保護を重視する社会潮流とも合致した判決です。欠陥住宅が減少することが業界の信用の増進、ひいては、業界の利益にもつながるものと思われ、業界を挙げて取り組むべき課題といえます。
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