2008年8月27日 | 講演情報等 |
下記の要領にて、不動産証券化時代におけるプロパティマネイジメントをめぐる法的論点についての講演を開催することになりました。ぜひご参加いただきたく、当ブログにてご案内をさせていただきます。
講演の具体的な内容につきましては、主催者であるファンドソリューションのサイトをご覧いただきたく存じます。
【開催日時】
平成20年9月10日(水) 午後1時30分~5時00分
<開場・午後1時>
【会場】
プラザエフ・8F・スイセン
千代田区六番町15 TEL.03-3265-8111
(JR四ッ谷駅麹町口すぐ前)
【主催】 株式会社ファンドソリューション
【後援】 財団法人 日本ビルヂング経営センター
【概要】 ~ファンドソリューションのサイトより~
今、不動産業界ではPM(プロパティマネジメント)の重要性がますます高まっています。不動産価格の上昇が以前ほど望めなくなったこともあり、インカムゲインの重要性・不動産収益の最大化が強く求められているからです。そのため、投資家・ビル所有者からAMへ、最終的にはPMに収益最大化のためのさまざまな要求がなされます。また金融商品取引法によって、AM等に課された義務がさまざまな形でPMへの要請として転嫁されてくる場面が増えてきました。それに応える優秀なPMが求められていると言えます。
ビルの運営管理に関しては以前から、賃料増減額交渉、滞納賃料対策、原状回復、安全管理、敷金・保証金返還請求など多くの法的問題が取り上げられています。これらの問題は従来ほとんどの場合、賃貸人(ビルオーナー)と賃借人(テナント)間の問題として語られてきました。しかし、近年はこうした問題の中でPMがどういった役割を持ち、どこでPMの法的責任が問われるのかが重要となっています。
そこで、本セミナーでは、「善管注意義務」をキーワードとして、不動産証券化時代におけるPMの役割を再確認したうえで、業務委託契約、安全管理義務、賃料増減額交渉をテーマに、これらに関連する法律問題について、具体的事例を踏まえてわかりやすく解説します。
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2008年3月25日 | 区分所有法 |
先日の日経新聞の朝刊に、マンション管理の全面委託が可能になる旨の記事が掲載されました。
現在、マンションの標準管理規約では、理事会を中心とした意思決定が推奨されていますが、現実問題としては、マンション住民の管理意識が乏しかったり、住民が高齢化したりで、なかなか管理がうまくいかないことが多いようです。そこで、国土交通省は、理事会による管理を原則としつつも、区分所有者の合意により外部委託も選択できるようにするとのことです。
もっとも、現在の区分所有法においても、実は、管理者という制度があります(区分所有法25条以下)。管理者を規約又は集会の決議により選任すれば(同法25条)、共有部分等の保存行為、集会決議の実行、規約で定めた行為の実行を任せることができます(同法26条1項)。管理者は、区分所有者である必要はなく、法人でも就任できることから、管理会社等を管理者に選任して、マンション管理を任せることができます。
しかし、管理者が管理行為(法18条1項)及び変更行為(法17条)を行うには、集会の決議が必要とされることから、機動的な管理ができないという欠点もあり、また、部外者である管理者に、管理行為及び変更行為を行う権限を規約等により一任することには危険も伴います。
そこで、従前どおり、理事会を置きつつ、管理者を置くことも考えられますが、裁判例では、理事長が選任されている場合には、特別の事情がない限り、理事長が管理者であるとされていることから、理事長と管理者との権限関係が問題となりえます。標準管理規約においても、理事長が区分所有法に定める管理者とするという条文が置かれています(標準管理規約38条2項)。
そのため、理事会をおきつつ、管理者にマンション管理を任せる場合には、法律や規約を整理する必要があるかもしれません。
管理組合の理事会については、理事のなり手がいない問題や、理事に対する報酬支払い等、さまざまな問題が生じており、従前、理事会が担ってきたマンション管理の権限を第三者たる管理者にゆだねることには概ね賛成ですが、理事会がなくなり、または、理事会の権限が縮小する中、いかにして、管理者の業務執行を区分所有者が監視をしていくかは重要な課題かと思われます。
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2008年2月15日 | 賃貸借 |
近頃、テナントビルのオーナー交代を機に、オーナーからテナントに対して、賃料増額請求がなされたという話(相談)をよく聞きます。いわゆるファンドが、高い利回りを実現するため、賃料が相場より安いビルを購入し、その後各テナントに対し賃料の増額を請求するパターンが多いようです。
こうした賃料増額請求を受けた場合、そのように対処したらよいでしょうか。
借地借家法32条(借地の場合は11条)によれば、特約のある場合を除き、建物の賃料が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当になったときは、契約の条件に係わらず、将来に向かって、賃料の増減を請求できると規定しています。
賃貸借契約は継続的な有償契約であり、建物の使用とそれに対する賃料は均衡されるべきとの考えから、そのバランスが崩れた場合に、将来に向かって賃料を増減するのは、ある意味、合理的であるといえます。
ただ、近時のファンドによる賃料増額請求は、大幅な増額請求も多いようであり、テナントもこれに応じてしまうと、事業事態の採算性がかなり悪化してしまうという問題もあります。
増額請求を受けた場合、テナントは、オーナーと話し合いにより、まずは軟着陸を目指すべきです。
しかし、当事者間で賃料の増額についての話し合いがつかない場合には、最終的には、オーナーから賃料増額請求の裁判を受ける可能性もあります。
その場合、オーナーとテナントは、それぞれの立場から、自己が主張する賃料額が正当であるとする、不動産賃料に関する鑑定書を提出しあうことになり、最終的には、裁判所が、当事者の主張及び証拠を勘案して、相応の賃料額を認定することになります。
裁判が確定するまでの間は、テナントは、自ら相当と認める賃料を支払うことで足ります。多くの場合は、契約書記載の賃料額になると思われます。
オーナーがこれを不服として受け取らない場合には、法務局にて賃料の供託をします(これを怠ると、賃料不払いによる解除事由となりますので、注意が必要です)。
ただし、裁判において賃料の増額を正当とする裁判が確定した場合において、既に支払った賃料に不足があるときは、その不足額に年1割の割合による利息を付して支払わなければなりません(借地借家法32条2項)。
都心においては、賃料はまだまだ下がる気配は少ないようですが、今後、賃料相場が冷え込んだときには、テナントからオーナーに対する賃料減額請求もありえます。
賃貸借契約が継続的契約であり、ある程度は安定性が求められることからすれば、賃料相場の上昇下降が即座に契約賃料に反映されてしまうのは好ましいことではないとも思われ、今後の裁判動向も気になるところです。
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